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『黙示』

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    久しぶりの真山仁作品だ。

     

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    自然と農薬とGMO(遺伝子組み換え食物)について考えさせられる小説です。

     

     

    自然を守りたい養蜂家、自然に極力害を及ぼさない農薬を開発しようとする研究者、日本の農業を変えようとする農水省の熱い職員たち、GMOを日本で展開しようと目論む政治家と外資企業といった利害の異なる登場人物の視点を通してストーリーが進む。

     

     

    一貫して述べられているのが、絶対解は無いということだ。

     

    自然を守るために農薬を使わないのが良いと主張するなら、安定的な食糧供給をあきらめなければならない。

     

    作物に付く害虫にだけ効く農薬だから大丈夫と言っても、使い方によってはすべての生物に安全なわけではない。

     

    GMOは何の副作用があるか分からないから危険だと言っても、今の人口増加のスピードに食料供給が追い付く策は今のところ無い。

     

     

    特に、GMOについては自分も反対だった。

     

    でも地球上で飢餓が起こる可能性が高いと分かっていてもそれを貫き通せるのか?

     

    自分の子孫がそれに直面することを容認できるのか?

     

     

    難しい問題です。

     

     

    僕らの時代は大丈夫でしょう。

     

     

    でもそれでいいんだろうか。

     

     

     

     

    元戦場カメラマンであり養蜂家の奥さんが印象的だった。

     

    彼女は国境なき医師団として紛争地域で子供たちを重点的に治療していた。

     

    信条は、「明日のためにベストを尽くす」だ。

     

    夫である養蜂家が「紛争地帯の子どもたちにとって、生きることは即ち苦痛ではないのか」と疑問を投げた時に、

    彼女は「この子達の将来を心配してどうするの。それは、この子達自身が考えればいい。でも、子どもがいなくなれば、未来は終わる」と答えた。

     

     

     

    心に残る場面でした。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    tomoki * Reading * 11:21 * comments(0) * trackbacks(0) * -
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